コストはどこまで削っていい?|固定費・SaaS・外注費を見直す判断基準
はじめに
固定費を見直していると、
「このSaaS、本当に必要?」
「外注費を減らしても大丈夫?」
「使っていないサービスは解約した方がいい?」
と迷うことがあります。
たしかに、
使っていない費用を払い続ける必要はありません。
一方で、
「高いから削る」
「利用頻度が低いから不要」
と単純に判断すると、
業務効率や品質、顧客対応へ影響が出ることがあります。
たとえば、
普段はあまり使わないツールでも、
- 障害対応
- 月末処理
- 特定顧客への対応
- 管理業務
- 情報共有
などで重要な役割を持っている場合があります。
この記事では、
固定費や継続費を見直すときに、
- 何を使っているか
- 誰が使っているか
- どんな価値があるか
- 削減すると何が変わるか
- 代替手段があるか
- 元に戻せるか
を整理して、
コスト削減を判断する方法を解説します。
コスト削減は「金額」だけで決めない
まず確認したいのは、
その費用が高いか
ではなく、
その費用に見合う役割があるか
です。
たとえば、
月額36,000円のSaaSがあったとします。
金額だけを見ると、
削減対象にしたくなるかもしれません。
しかし、
- 毎営業日使っている
- 問い合わせ管理に必要
- 担当者割り当てに使っている
- 対応状況を確認している
のであれば、
単純に解約するのは危険です。
利用頻度が低くても不要とは限らない
よくある判断が、
8人契約しているのに、毎月使うのは3人だけだから無駄
というものです。
しかし、
残りの人が、
担当案件に問い合わせがあったときだけ確認する
のであれば、
利用頻度は低くても役割があります。
そのため、
ログイン回数が少ない
=不要
とは限りません。
「サービス自体が不要」と「契約が過剰」は分ける
ここは特に重要です。
たとえば、
- 問い合わせ管理SaaS自体は毎日使っている
- ただし8名分のプランは過剰
- 実際に使うのは3〜4名
- 下位プランがある
という場合。
このときの問題は、
SaaSが不要
ではなく、
現在の契約プランが過剰かもしれない
ことです。
この違いを分けないと、
「使う人が少ないから全部解約」
という極端な判断になりやすくなります。
まず利用実態を確認する
コスト削減を考えるときは、
最初に実際の利用状況を確認します。
見るのは、
- 誰が使っているか
- どのくらい使っているか
- 何に使っているか
- どの機能を使っているか
- 使っていない期間があるか
- 低頻度でも重要な用途があるか
です。
アカウント数だけでは判断しない
たとえば、
8アカウント中3人しか毎月ログインしない
としても、
見るべきなのは、
残り5人が本当に不要なのか
です。
必要時だけ使う人がいるなら、
その用途も確認します。
この費用で何を得ているかを見る
次に、
この費用を払うことで何を得ているか
を整理します。
たとえばSaaSなら、
- 情報を一か所に集約できる
- 担当者が分かる
- 対応状況を確認できる
- 履歴を残せる
- 情報共有しやすい
- ミスや漏れを減らせる
などです。
ただし、
便利だから必要
とも限りません。
その価値が、
現在も使われているかを確認します。
売上への影響は確認できているか
コスト削減では、
この費用を削ると売上が落ちる
と心配することがあります。
しかし、
- 売上との因果関係
- 受注との関係
- 顧客満足との関係
が確認されていない場合は、
勝手に影響を決めません。
「関係ありそう」と「確認済み」は別
たとえば、
問い合わせ管理ツールを使っている
↓
問い合わせから受注することがある
としても、
ツールが売上を増やした
とは限りません。
逆に、
ツールを解約したら売上が下がる
とも断定できません。
削減した場合の影響を見る
コスト削減判断では、
削減できる金額
だけでなく、
削減すると何が変わるか
を確認します。
たとえば、
- 業務時間
- 作業量
- 品質
- 顧客対応
- 納期
- 対応漏れ
- 情報共有
- 障害対応
- 従業員負担
などです。
影響が分からないなら小さく試す
削減余地はありそうでも、
影響が分からない場合があります。
たとえば、
- 8名プランから少人数プランへ変更
- 月額36,000円から24,000円
- 月12,000円削減
- 上位プランへ戻せる
- 手数料なし
という条件なら、
いきなり解約する必要はありません。
この場合は、
下位プランへ変更して影響を見る
という方法があります。
元に戻せるかは重要
削減判断では、
復元可能性も重要です。
たとえば、
- 月単位で戻せる
- 違約金なし
- データが残る
- 再契約可能
なら、
試しやすくなります。
一方、
- 一度解約するとデータが消える
- 再契約が難しい
- 再導入コストが高い
- 移行作業が大きい
場合は、
慎重に判断する必要があります。
代替手段は「ある」だけでは不十分
よくあるのが、
無料の代替手段があるから解約できる
という判断です。
しかし、
代替手段が存在する
ことと、
実際に代替できる
ことは別です。
代替手段で確認したいこと
- 実際に使えるか
- 同じ業務を行えるか
- 工数が増えないか
- 品質が下がらないか
- 情報共有できるか
- 顧客対応へ影響しないか
です。
過去に使っていた方法へ戻すときは注意する
たとえば、
SaaS導入前に、
共有メール+スプレッドシート
で管理していたとします。
過去に、
担当者が分かりにくかった
という問題があったなら、
無料だから戻す
だけでは不十分です。
現在の業務量で、
本当に問題なく運用できるか確認します。
REDUCEとTESTの違い
コスト削減では、
すぐ減らしてよい場合
と、
まず試した方がよい場合
があります。
TESTが向いているケース
たとえば、
- 利用人数が少ない
- 下位プランがある
- 削減額も明確
- でも必要な人数が確定していない
- 機能差もまだ確認していない
- 上位プランへ戻せる
場合です。
この場合、
削減余地はあるが、影響確認が必要
なので、
TESTが向いています。
REDUCEまで進めるケース
一方で、
- 長期間利用していない
- 代替手段へ移行済み
- 実際にその状態で業務できている
- 品質問題なし
- 顧客影響なし
- 売上減少も確認されていない
- 解約手数料なし
- 日常業務の切り替えも完了
まで確認できているなら、
いつまでもTESTを続ける必要はありません。
「将来使うかも」だけで維持しない
たとえば、
将来ワークショップを再開するかもしれない
という理由だけで、
使っていない月額サービスを維持し続ける必要があるとは限りません。
将来必要になった時点で、
- 再契約
- 別サービス
- 代替手段
を検討することもできます。
データ保全は削減判断と分ける
SaaS解約では、
過去データをどうするか
が問題になることがあります。
これは重要です。
ただし、
過去データの確認が必要
=解約判断をずっと保留
とは限りません。
たとえば、
- 業務上は不要
- 代替運用済み
- 解約合理性あり
- 過去データだけ確認必要
という場合。
このときは、
REDUCE判断は出す
そのうえで解約前にデータを保全する
と分けます。
削減額は単純計算できる
たとえば、
月額18,000円のサービスを解約
すれば、
月18,000円
の契約費用を削減できます。
年間換算なら、
18,000円 × 12か月 = 216,000円
です。
ただし、
年間216,000円利益が増える
とは限りません。
解約に伴って、
- データ移行
- 管理工数
- 代替作業
- 再契約
などが発生する可能性があるためです。
コスト削減は4段階で判断する
WorkPaletteでは、
コスト削減判断を次の4段階で整理します。
REDUCE
現在確認できている条件から、
削減・縮小・解約へ具体的に進む合理性がある状態です。
たとえば、
- 長期間使っていない
- 代替手段を実際に使っている
- 業務上問題がない
- 品質影響が確認されていない
- 顧客影響がない
- 契約変更しやすい
場合です。
TEST
削減余地はあるものの、
影響確認が必要な状態です。
たとえば、
- 利用者が少ない
- 下位プランがある
- 削減額も分かる
- ただし業務影響はまだ不明
- 元に戻せる
場合です。
HOLD
重要な情報が足りず、
削減・維持を判断しにくい状態です。
たとえば、
- 利用実態が分からない
- 解約条件が不明
- 代替手段が分からない
- 業務影響が大きそうだが未確認
という場合です。
KEEP
現在確認できている条件から、
維持する合理性がある状態です。
たとえば、
- 日常業務で継続利用
- 代替手段がない
- 削減すると重要業務に支障
- 顧客対応に必要
- 削減額より影響が大きい
場合です。
WorkPaletteでコスト削減を判断する
WorkPaletteでは、
「コスト削減判断」のAIフローを使って、
固定費や継続費を整理できます。
フローでは、
- 現在費用と利用実態を整理
- 利用価値と必要性を確認
- 削減効果を整理
- 業務・品質・顧客への影響を確認
- 代替手段と削減方法を比較
- REDUCE / TEST / HOLD / KEEPを比較
- 最終判断
という順番で確認します。
対象は、
- SaaS
- システム利用料
- 外注費
- 広告費
- サブスクリプション
- 保守費
- オフィス費
- その他の固定費・継続費
などです。
まとめ
コスト削減では、
「高いから削る」
だけで判断しないことが重要です。
確認したいのは、
- 実際に使っているか
- 誰が使っているか
- 何に使っているか
- 低頻度でも重要な用途があるか
- 削減できる金額
- 業務への影響
- 品質への影響
- 顧客への影響
- 売上への影響
- 代替手段
- 切り替え負担
- 元に戻せるか
です。
そして、
利用頻度が低い
=不要
高い
=削減
無料の代替手段がある
=同じように使える
将来使うかもしれない
=維持
ではありません。
影響が分からないならTESTする。
すでに代替運用できていて、
影響も確認できているならREDUCEする。
逆に、
重要な業務へ使っていて代替が難しいならKEEPする。
このように、
REDUCE / TEST / HOLD / KEEP
で整理すると、
単なる節約ではなく、
業務を壊さずに固定費を見直しやすくなります。
